アー・ユー・ハッピー?(矢沢永吉)

最近、矢沢永吉にハマっている。

永ちゃんが51歳の時の著書「アー・ユー・ハッピー? 」を読んでみた。


そのへんの自己啓発書やビジネス書を読むより、よほどビジネスの勉強にもなる。



すみ子さん(最初の奥さん)との別れのいきさつ、

そして次の奥さんとなるマリアさんとの出会い、

その喜びと深い苦しみ・葛藤が綴られている。それらにはとても共感できるものがあった。


最初の奥さんのすみ子さんとは、

前作の「成りあがり How to be BIG」では、ロマンチックな出会いをして、無一文のころに所帯を持ち、苦楽をともにしてきた「現在進行形」の物語がまるで映画のようにドラマチックに書かれていてワクワクしながら読み進めていたため、そのすみ子さんとの別れのストーリーは読みながらとても切ない気持ちになった。


徐々にすれ違っていくのは、でも、読むと仕方がないと思った。男女が別れる時は、仕方がない「何か」運命のうごめきみたいなものがあるのだ。





考えてみると、

ジョン・レノンとオノ・ヨーコの結婚も、そうだった。


昨日書いた、
映画「ジョンレノン、ニューヨーク」 矢沢永吉や本田健がジョン・レノンに影響を受けたことを感じる

ヨーコとの再婚が、ジョンにどれほどの良い物をもたらしたか。

それは、永ちゃんの再婚についても同様だったたことが、本書を読んでわかった。





そんな永ちゃんが辿りついた境地が、以下の言葉に見える。


夫婦といえども、親子といえども、ルールがある。
妻が夫を愛するのは、夫が尊敬に値するものを持っているからだ。それがなかったら、妻は夫を尊敬しない。
それはあこがれの男性像とか、そんなかっこいいものじゃない。
夫婦ってシンプルなんだ。わかりやすい方がいい。こんなシンプルなことがコントロールできないから、別れがくるんだ。



オレが酒を飲んで、バカなことをやるのを、オレの女房は何百回も何千回も観ている。だけど彼女はすごくオレを愛していて、すごく尊敬している。
なぜだ?
オレが張るときは張っているからだ。
この「張るときは張る」っていう、このクソ単純な、すごくシンプルなことができないと、女は男を尊敬できないんだろう。夫っていうのは、男っていうのは、この単純なことさえやっていりゃいいんだ。
そんなに難しいことじゃない。
子どもは大丈夫だ。子どもはオヤジの背中を見て大きくなっていく。 

アー・ユー・ハッピー?  P178)








僕が好きな糸井重里いわく、

「永ちゃんって、誰も見本にしないで生きてきたね。いつでも自分がオリジナルになっているね」

という。


僕はすぐに「師匠!」などと尊敬してしまう達なので、この言葉には考えさせられた。



「オレを騙す奴らから、学んできたよ」

という。




永ちゃんは、よい意味で実業家だ。しかも、とびきり大きな。ただのミュージシャンじゃない。


ビートルズの曲を聴いて「かっこいいなあ」と感動するのと同時に、著作権っていうのはこういう考え方なんだと感動するのが、オレのなかで同時進行していた。(アー・ユー・ハッピー?  P131)







有名なE・YAZAWAタオルも、マイクにテープを巻くのも、必要性から発展してきたものだそうだ。

タオルは、ライブ中に暑く、だんだん面倒くさくなって肩にかけっぱなしで歌ったのがきっかけだったそうだ。(P197)

面白い。





自ら「勘がよく、臆病だ」という。

「大丈夫かな?」

「お前、後悔していない?」

「気持ちいい?」

「なんか、おかしいと感じる?」


常にことこと、自分で自分に通信してる、という。



「今の俺はいいよな?」

「うん、大丈夫さ」

「いいよ、間違ってない」



これらは、いわゆるキネシオロジーだ。

こんまりさんの「人生がときめく片づけの魔法」でいうところの、「ときめき」。



それを、誰に学んだことでなく、自らやっている永ちゃんには恐れ入る。






ある時、ステージがしょぼいことに気づいた。

それを興業会社に言うと、「あんたには納得するだけのジャラ出すから。しょうがないでしょう」と言って、とりあわない。

永ちゃんはどうしたか?


アーティストとしては、ファンをぶっ飛ばしたい、最高の気分にさせる、腹の底から納得させたい。だけど製作には金がいる。
じゃ、どうするよ?
俺はキョードーと手を切った。 
  
 (アー・ユー・ハッピー?  P98)



オレの事務所のスタッフはみんな苦労した。なぜかって言えば、ノウハウがない。
それでまず、ウドー、キョードーのやった歴史を盗もうと考えた。
ところがなかなかわからない。彼らだって、簡単には教えてくれない。
遠回りしてでも類推しるしかない。会場のキャパがこれだけで、入場料がこれで、こんだけの動員があって。P・Aにいくら、証明っていくらだ?少しずつ調べていった。  
 
 (アー・ユー・ハッピー?  P100)




なんと、自分たちでステージまで手がけ始めたのだ。


結果、満足できるステージに仕上がった。けれども、その年おこなった68回ステージは赤字。

その後に、キョードーの社長に食事に誘われた時の言葉がすごい。

社長はニヤニヤしている。

「いや、ほんと、社長、奥が深いし、大変なことだとわかりました。だから、制作費をもっとかけろとか、もっとゴージャスにしろということじゃ、収支は追いつかない、成り立たないということがよくわかりまいた」

「ふむふむ。そうでしょう」

「それでまあ、今回やってみて、改めて気持ちが燃えた。なぜもっと早くうちの会社で製作をしなかったのかと思ってます。オレは今回やって、心から良かったと思ってます」

 (アー・ユー・ハッピー?  P104)





「勉強代はたっぷり払わされたけど、トライするだけの価値は、やっぱりあった」

と言っているのだ。





そうして、全国のイベントを、徐々に自らの会社でやってみたのだ。


それをイベントメーカー業界はどう見ていただろう。
これではっきり証明した。何を証明したのか?
興行とは、イベントメーカーだけの独占じゃない、と。そうやってすべてがオレの思惑通りいくようにした
しばらくして、北陸のコンサートはキョードー北陸が再び戻ることになった。理由?キョードー北陸の心の熱いヤツが担当になって、頭になった。最高だよ。

オレたちの目的は興行師になることじゃない。あいつらに「なめるなよ」とやってみせること。
それを達成したら、もういい。
(中略)
猿の調教師は、まず猿の頭をかじるんだってね。思い切りかじって、「わかってるか、おまえ。オレがボスだぞ」と教えられたら、猿は調教師の言うことをちゃんと聴くようになる。
さびしいけど、人間も、一発かじってやらなきゃわかんないときもある。





こんな話もある。


法律や規約を読むと、仕組みが見えてくるので、読むのが好きだったとも言っている。(P131)


今までの永ちゃんのイメージと180度変わってしまった。



「矢沢は守銭奴だ」

とずいぶん言われたらしい。


でも、そのいきさつに為政者側の理屈が見えた。

まるで金は汚いもので、金が音楽を汚してしまうみたいにヤツらは言った。
だけど、そんなのはウソだった。言ってるヤツらの本音は、

「ミュージシャンが賢くなったら困る」

っていうことだった。彼らから金を盗むことができなくなるからだ。ヤツらはミュージシャンがなにも考えないで、歌だけ歌いつづけることを望んでいた。

たっぷり稼がせて、ほんのちょっとだけ分前を与えて、ほとんどは自分たちでむさぼろうと考えていた。いや、考えていただけじゃない。それまでずっと彼らはそうしてきた。

 (アー・ユー・ハッピー?  P132)



前作の「成りあがり How to be BIG」でも、キャロル時代にさんざん不利な契約に苦しめられてきたことが書かれていた。



いずれ、前作の「成りあがり How to be BIG」についても書いてみたい。


まだしばらく、マイ・永ちゃんブームが続きそうだ(笑)












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 ・自己啓発書を超えたライフワーク本。強烈な面白さ「成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集」

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れおん
東京在住。2011年初旬に安定した仕事を辞め、いくつかのお金の流れを創りつつ「真の幸せとは何か?」「自由とは?」を探求中。かなりの手応えを掴み、探求をほぼ終えつつあります。縁のあった少数の人に「好きな事をビジネスにして楽しく生きる」ためのコンサルティングをしています。興味のある方は「メールフォーム」から気軽にメッセージをお送りください。

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