「幸せ」、そしてミームというエゴ ~岡田斗司夫さんのその先へ~ (「人生の法則」読書メモ)

岡田斗司夫さんの「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人」を先日読んで驚きました。

「人間関係を円滑にするためのノウハウ」

という認識で軽く手にとったところ、

リチャード・ドーキンスが「利己的な遺伝子」で提唱した『ミーム』の概念が出てくるだけでなく、


「君たちが自分だと感じている意識には、中心がない。

物質同様、小さくしていくと、何もなくなってしまうんだ」 P204



と登場人物にいわせるなど、

「本当の私とは誰か?」

という探求の本質にまで迫る内容だったからです。


これは、アドヴァイタや仏教が示す世界観と同じもの。

夢中になって読んでしまいました。




以前、岡田斗司夫さんが、ある動画の中で(遺言イベントだったか?)、

「幸せとは、

 大きな作品(ガイナックス時代の話)を作り終えた発表会の時に、

 関係者全員から拍手をいただいた瞬間、不意に込み上げてくるような、

 すぐに過ぎ去るもの」


といった主旨の発言をされていました。


本文P208では、

「ヒト意識は文明のパーツであり、本能を充足されるための道具なんだ。だから、道具としてちゃんと機能するよう、そういう欲求が最初から埋め込まれている。むしろ、それが本質なんだ。本質から自由になったら、何も残らなくなっちゃう

「まって!そういう欲求って何?」

「ヒト意識が幸せを感じられる源泉」

「具体的には?」

「『受け取って』『考えて』『真似して』『伝える』」



とありますが、これはエゴの性質そのものです。




本質から自由になったら、何も残らなくなっちゃう



の赤色部分が、

「果たして、本当に何も残らなくなるかどうか?」

が重要だと思うのです。


アドヴァイタや禅などの悟りでは、まさにそこにこそ真の幸せがあるとしています。(そして私もそこを目指しています)


つまり、そこに残るものが本当の自分であり、無限の可能性の場、そして至福そのものだと解かれているのです。




非常に考えさせられる本でした。

時を置いて、また考えてみたいと思います。







■以下、読書メモです。(少々長くなってしまいました~(~_~'')



・ミームとは、「脳から脳へと伝わる文化の単位」


・「本能」というのは個体維持のためだけれども、4タイプというのは社会維持のための仕掛けだというのが、私の仮説です。


・なぜ4タイプが存在するのか?それは「文化」をうまく確実に伝えるためです。
 では、なぜ「文化」は存在するのか?それは人間の壊れてしまった「本能」を肩代わりするためです。


・では「江戸文化」が保存されるには、存続するには何人ぐらいの人間が必要か?100人でも無理。1000人でもまだ不安です。1万人いれば、大丈夫かもしれません。


・では、それだけの人数の人間が、全員「正しい、同じ江戸文化」を維持するにはどうすればいいのか?
 ここで4タイプが登場します。


・それぞれ(4タイプ)がバラバラに行動・伝達しているように見えて、実は4つのタイプごとに役割があります。「文化」という大きな概念を伝えるには、たったひとつの正しい教典を維持するのではなく、数千人以上の規模の人間たちが「群れ」として行動した方がうまくいくのです。


・「文化」は人間が集まって形作ります。つまり人間が構成要素となっている。ということは、「文化」を人間の上位存在と考えることができます。この「文化」を仮に生物として考えてみると、いろいろなことがわりとスッキリできます。


・そいつら(文化)が生存競争を繰り広げている。そいつらが生き残ろうとしていて、生き残る手段として私たちを使い捨てしようとしています。だからある価値観のために人間が死ねる。


・人間の個体維持から考えると家族のために死んでもしょうがない。自分が生き延びてもう一度ひとりでも多く子供を作った方が絶対にいいはず。ほとんどの野生生物はそういう行動を「本能」として選びます。しかし私達人類にはその「本能」がありません。フロイトや岸田秀など心理学者の一部はそれを「本能が壊れた」と表現しています。



・「人間は本能が壊れた生物だ。その代わりに文化・文明を発達させた」これが現在のところ、定説となっています。


・人類は「生き残り戦略」として巨大な大脳を作りました。大脳はコトバを生み、私達は自然をありのままに見るのではなく「抽象化」して見るようになった。
 (※ アドヴァイタや禅・仏教などの悟りや、キリスト教のいくつかの流派は、「自然をありのままに見る」能力の復活を目指すものだと感じています:ヒッキー・レオン)
 同時に、成長期にズレが生じた。脳の古い部分、本能部分が生殖を命じる2~4歳の時期には生殖が不可能で、繁殖の衝動は本能から離れてしまった。このままでは生殖もできず、人類は滅びます。



・これら「壊れてしまった本能」の代わりに「文化」が生み出されました。文化は言葉から言語を作り、野生動物なら意識しない「本能」や「衝動」を次々と意識化した。怒り、悲しみ、笑い、感動。これらはすべて名もなき衝動を抽象化しカテゴライズし、そして意識化された「本能」の断片です。


・「文化」は本能に変わって「恋愛」や「嫉妬」や「愛情」などを作り出しました。いろんな民族でいろんな恋愛や結婚・家族形態があります。それらはそれぞれの「文化」が構成要因であるその民族の生き残りのため、生殖や社会生活維持のために作り上げた思想体系です。



「本能」という基本OSは、個体維持の最低ラインまで縮小しました。野生状態で放置されれば、大部分の幼児は生き延びられないでしょう。その程度のOSしか人間には残っていないのです。残りの大部分の「生き残り」「種族維持」の本能は、基本OSではなくアプリケーション化され、外部のクラウドに移されました。そのクラウドこそが「文化」です。



・なので、私たち人間にとっては個々の個体維持、すなわち自分個人の生き残りよりも、クラウド内アプリの維持、すなわち「文化」の方が大事になってしまったのです。結果、それら「文化」はまるで「個体維持本能」「種族維持本能」を持つ生命として振る舞うようになった。共生なのか寄生なのか、支配なのか従属なのかはわかりません。人間がハチや蟻のような社会生物と振る舞いが似ている原因も、このあたりにあると私は考えています。



・人間が言葉を使い出した瞬間に「文化」という生命が発生して、その「文化」に個体維持とか繁殖とか生き抜こうという本能が移ってしまった。こう考えると、(中略)大部分がシンプルに説明できます。



・もちろん子どもを作るときの喜びの1000分の1かもしれません。でも子どもを作るより1000倍以上、簡単です。だから、私達は情報メディアが発達すればするほど、子ども作りにはあまり熱心にならない。当たり前のことなんです。



・ジーン、つまり遺伝子の継承が難しくなれば、ミームに比重が移る。私達は子どもを作るだけでなく、「文化」というものを受け取ってそれを人に伝えるという繁殖法を見つけてしまった。



・文化ひとつひとつが生き残ろうとします。かつて日本とアメリカが戦争したときというのは、日本文化とアメリカ文化が戦争をしていました。その構成員であるひとりひとりの人間の数を増やしたり減らしたりする戦いです。個人内のシェアとして、むかしの日本人は大和魂100パーセント、アメリカ人はアメリカンスピリッツ100パーセントの奴ら同士が戦争をしていた。だから相手を殺さないと文化の戦いとしては勝ちにならなかった



・でもメディアというものが複雑になってくればくるほど、単発文化キャリア、つまり個体としての人間を消し合うのではなく、その人間の中のシェア争いに移行していきました。(中略)この、個々人の中にある「文化の勢力マップ」を、私達は「個性」と呼んでいます。



・では、文化を広める時に4つのタイプがどのような役割を果たすのでしょうか。(中略)遺伝情報であるDNAにアデニン、グアニン、チミン、シトシンの4種類の塩基配列が必要なのと同じく、文化を伝えるためには4種のタイプがすべていないとうまくいかないんですね。

注目型の人間ばかりが集まってアニメが好きだと言ったら
「すきだよね」「いいよね」「俺たち仲良しだよね」だけで盛り上がって終わりです。

そこに理想形がいないと、
「この「好き」という感情をみんなに伝えるべきであるというきっかけになかなかならない。

司令型がいないと
「じゃあ実際にブログをたちあげて」、「何月何日までに原稿を上げて」、「ちゃんと解説しようよ」、「お金は全員割り勘でね」と具体的な話に進まない。

法則型がいないと、
そういうことをやって効果があるのかどうか、それがよそのサイトに比べてどうか、他のアニメに比べてどうかという評価をすることがなかなかできません。



・文化同士のシェア争いという観点から解釈すると、注目型と司令型は攻撃担当、法則型と理想形は防御担当と言えます。あるいは外務と内務ということもできるかもしれません。
理想形は文化を純化しようとするので、いらないものを外していって正しいものを残そうというフィルター機能を果たします。その意味では、法則型はフィルターに通す前に、自分たちの持っている文化というのを種別によって分類する役割です。ただ分けることまでしか法則型はやってくれないので、理想型はそのあとで大事なものを残して、大事じゃないものを捨ててくれる。
 注目型は大きい声でそれを外にアナウンスしてくれるし、司令型はそれで勝ちに出る。このように4タイプと文化はダイナミックに関係しています。



・私達が個体の生物として持っていた本能、つまり「生きながらえて、子孫を残す」という本能は遺伝子的なものです。ジーン型の本能と仮に呼びましょう。野生生物はほぼ全てがジーン型の世界に生きています。


・それに対して、「文化を生きながらえさせて、文化を広める」という本能をミーム型の本能、と読んでみましょう。ミーム型の生存本能は私達の上位存在である文化にあります。だからミーム型の世界では、私たち個人個人の生存は問題ではない(これこそエゴの性質です!:ヒッキー・レオン)んですね。上位存在の文化が生き残ればそれでいい。



・文化にとっての私達人間の存在はこれと同じです。単なるメディアであって、古くなったり壊れたりすれば、取り替えればいいだけ。使い捨てです。だから「文化や民族の誇りを守るための自爆テロ」もそれが原因で存在します。





・ジーン的に子どもをつくって、その子たちを幸せにして自分たちの思いを伝える、という喜びももちろんあります。それはむかしの、本能が壊れる前の祖先から受け継いだ「古い喜び」「かつての生きる意味」ですが、今も強く私達の心にいきています。
 同時に、ミーム的な喜びも存在します。これからはますます、こちらの比重が増えることになるでしょう。



・私たちは「文化」のメディア、単なるパーツかもしれない。でも、彼らに支配されたり、生き方を決められているわけではない。



・私達は、なんのために生まれて、何をして生きるのでしょうか?
 それは、文化を、情報を、人から「受け取って」「考えて」「真似して」「伝える」ためです。
 だから、私達は互いに関わりあって生きていくしかない。





本書によると、私は典型的な「理想形」です。

その他3つの性質を持つ方、私といつかチームを組んで見ませんかーーー?









【本日の課題図書】

性格判断として読めば、リーダーが知っておいて損はない優れた実用書。あるいは、人間学や自我論などとして読むこともできる。読む人の興味によって、いろんな性格を帯びる本。
「お、岡田斗司夫の本は化け物か~~~(れ、連邦のモビルスーツは化け物か~)」と叫びたくなるような、「噛めば噛むほど味が出る本」です。

 
 人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人





 
 利己的な遺伝子 (リチャード・ドーキンス 著)
 不朽の名著です。





 
 働かないアリに意義がある (長谷川 英祐 著)
 蟻の生態をカジュアルな文体でわかりやすく説明してくれている新書。読んでみて非常に有益でした。いろんな本屋さんで平積みされているのを見ると、かなり売れているようです。











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テーマ : 【無理な努力なし】に、好きなことで幸せになる
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れおん
東京在住。2011年初旬に安定した仕事を辞め、いくつかのお金の流れを創りつつ「真の幸せとは何か?」「自由とは?」を探求中。かなりの手応えを掴み、探求をほぼ終えつつあります。縁のあった少数の人に「好きな事をビジネスにして楽しく生きる」ためのコンサルティングをしています。興味のある方は「メールフォーム」から気軽にメッセージをお送りください。

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