自己啓発書を超えたライフワーク本。強烈な面白さ「成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集」

夏に読んだ矢沢永吉の「成りあがり」のメモを読み返してみると、

改めて目がさめるような面白さ。


ライフワークに生きている人ならではのエネルギーを感じます。



かつて、

自己啓発書を読みあさり続け、それらに食傷気味の私としては、

矢沢永吉という不世出の「独立独歩の人」ならではのエネルギーとパワーが本当に心地良い。



以下、本からの抜粋です。





【横浜下車は直感】

どうしてなんだろう。いまでも、よくわからない。
東京に出る、東京に出ると思ってたオレが、汽車の中で「ヨコハマー、ヨコハマー」と聞いた途端に飛び降りた。
そう、ビートルズのリバプールだよ。港町。
無意識みたいに横浜で降りた。
ウオー、目的に一歩近づいてる。オレ、とんでもない行為してる。
(中略)
すぐに横須賀に行った。
道順を聞き聞き行ったんだ。
(中略)
何も知らんもんね。
だけど、一歩一歩近づいてる。電車に乗ってるだけで、ワクワクしてくる。そうだ、この感じだ。 (P80)







【若いころ】

クラスの誰かがエレキを買ってもらって、そいつの家に入りびたりになって、触らせてもらったりしてた。弾けはしないんだけど。磨くこと。鉄の部分だけ、やきに光の。これがエレキだと思った。アームがついてて、ウォーンウォーン。強力に興味が沸いてきた。
それが、普通のやつと興味の湧き方が違うんだな。
異常になってきた。止まらないんだ、トコトン
。そういう性格なんだね、オレ。
もう曲も作り出したよ、そのころから。(P56)






【お金の感性】

給料でるじゃない。
その時、二万円くらい、「すいません。全部千円札でください」って言うのよ。
(中略)
そこで眺めるの。二十何枚、見てるわけ、並べて。
「・・・・・金持ち」
(中略)
多分、オレは自分なりに
「・・・・・おカネだな・・・・・」
みたいな気持ち味わってたんだね。(P58)






【勉強法】

いまでも若者に言いたい。音楽学校通っているやつ、全部やめなさい。必要ないから。
オレの経験から、言える。
書道の先生がいまして・・・・・教える。必要なし。商売だもん、そう思う。金儲けに塾やってるだけのことなんだって。
オレはそう思う。紙買ってスミ買って、書けばうまくなるよ。ほんとにやりたいやつはうまくなるって。
まあ、他の世界は知らないけど、音楽の場合は特に言える。(P61)







【意外な愛読書】

愛読書はカーネギーの「人を動かす」 (P62)

でもさ、自分が何かしなきゃ、と思ってる時にぶつかった本ていうのは、実に意味があるね。
そういうキッカケって大切だね。(P66)


 カーネギーの「自分を動かす」って、自己啓発書のド定番です。これが愛読書というのが面白いですね。





【本当の教育とは?】

自分に合ってるかどうかが才能ってことだ。学校の勉強は役に立たない (P67)

義務教育、ポイントだけ押さえて、あとはファッファッとしてればいい。あんまり吸収しないで。ポイントがぼけるから・・・。
数学でいったら、足し算、引き算、掛け算、割り算と四つ。ルート、因数分解必要ない。
日本人なんだから、国語、読み書きはやれ。息子に、そう教える。必要なら、自分でやるって。興味を持ってから、図書館でもなんでも行って調べる。その方が頭に入る。
何が自分にあってるか、真剣に考える。
地理は大適当ね。オレ、ロング・ツアーで、大人になってから覚えてる。ナマで。
(中略)

全部、仕事で覚えた。
オレのやり方。
教科書の裏に印刷しておく。
「官僚になる気のないやつは、適当にきいてなさい。日本人だから、漢字とカタカナ、ひらがなの読み書きくらいはマスターしといた方がいいみたいですよ。これは、ちょっと影響があるみたいですよ」
古典の時間だと、まず先生が言うわけ。
「えー、古典のナカガミといいます。古典というのは、だいたい現代においては、二十パーセントぐらいしか必要ないと思う。興味ある人はマジメに聞いてください」って、これでいい。 (P69)

オレ、アレンジの勉強してるわけじゃないのよ。感覚で呑みこんでる。
ラジオやレコードも、ぜんぜん聞かない。
 (P270)







【ライフワーク】

自分の専門分野をまず大事にすればいい。すればいいっていうより、命を賭けなきゃいかん。 (P70)


音楽に出会って、スーパースターになると決めてからは、苦労が苦労じゃなくなった。土方やっても、フィルム運びやっても、つらくない。
「そうだ。こういうふうに苦しいんだよな、最初のうちは。こういうことがあって、いろいろやって、最後にスーパースターになるんだよ」と自分に言い聞かせていた。
映画だ。自分の人生を映画で観てるみたいなものだ。
もともと、オレにはそういう自己陶酔する才能みたいなものがあった。 (P71)







【仕事観】

ほんとに疲れたら、やめろって。グズグズせずに。
会社でも、上司に二回、三回、五回・・・・・あんまり怒られたら、クビになる前に自分からやめたほうがいい。なぜなら、自分はその仕事に合ってないと判断すべきだから。
合った職を探す。それが才能よ。才能ってのは、なにも、創る人間にだけ使われる言葉じゃないと思う。 (P252)







【キャロル解散後の「大勝負」】

一回、裸になった。あの時は。
キャロルの印税、全部投げ出した。CBSソニーに立て替えてもらったりしたけど、借金だからね、それも。
大勝負よ。一アーチストがウン千万円借金してやるんだから。
聞いてよ聞いてよ、そのへんは根性ありますよ。そのくらいの根性なくて、いまの矢沢はないですよ。 
(中略)
あの時のオレっていうのは、ここから始まるんだ、自分に言い聞かせてた。広島から出てきたときの感覚を維持しないと危険だって。
やる気で震えてたよ。落ちこんでもおかしくない状況があっても、やる気で消してしまう。そういう性格みたいな、オレって。 (P258)







【引き際について】

オレ、自分で、これ以上ムリだと思ったら教えるよ。
ちょっと、正直なとこ、疲れてきた。もういい。そういうふうに、発表するよ。
約束する。
この世界にぶらさがって、過去の名前でメシ食うことはしない。オレがグダグダ、長くしがみつく世界じゃない。魅力を感じてないっていうと誤解されるかもしれんけど。
自分が自由奔放にやれるものを、自分で築いてきて、それをまわりが受け容れてくれるようになってる。いまはだからやれる。
オレ、あとくされのないように、負い目がないように生きてきたつもりだからね。ダメになったらパッとやめられる。
カッコいい男になりたい。
でも、やれるうちは、やる。
オレのパワー、メロディー、ステージ。素晴らしい。すごくいいね、いま。
いいメロディー、ガンガン浮かぶ。きれいな曲、怒りの曲、湧いてくる。
ぶつけるよ。
これ、全部。
いけるとこまで、走りぬくよ。それが、オレのオレたる存在理由だよ。 (P260)







【逆境について】

最初、サンザンな目にあう。二度目、オトシマエをつける。三度目、余裕。こういうふうにビッグになっていくしかない。それには、サンザンな目にあった時、落ちこんじゃだめだ。
どうして落ちこまないか。はっきり目的があるからだよ。もし、ソロになって、ひとりでキャロルと同じことをしてたら、それは目的があるとは言えない。そうじゃなく、矢沢永吉をひとりでやるってのは、こういうことなんだ、と。見てくれ、と。見せるものは、これだけ準備した。そうでなければ虚しいだろう。 (P264)







【メンターを持たないことについて】

オレ、二十八年間も人間やってて、ミュージシャンもそうとう長いことやってて、カネ払ってレコード買ったの何枚あると思う?レコード屋行って、買ったの、四枚。(P271)

オレ、最初はビートルズに憧れてた。ファンとしての気持ちでね。
ところが、自分がこの世界でメシ食うようになったら、もう、ファンじゃなくなってきた。
同業者になってる。
同業者としては、「おまえには負けないぞ」って気持ちが出てくるんだ。夢、ロマン、かもしれない。
相手のことは、認めまくってるからね。
だけど、オレは、オレの世界を進む。どこまでやれるか、勝ち負けは別としても。 (P274)

「おまえ、今後とも聴くな。聴かないからメロディーができるんだ」ってダチが言ってるよ。 (P272)


 これ、「本読むな。読まないから、成功できるんだ」と言い替えることができそうです(笑)





【創作について】

創ろうとあせっても、ダメ。何時間かかっても作れない。
浮く時は、一時間で五曲ぐらいできるね。
気持ちが、気合が入ってね。
書きたいと思ったら、パッとギター握って、ポロンと弾いて口ずさむ。
「ちょっと、カセット持ってこい」
フムフムフムっと歌がでてくるから、録音してね。
「よし、一千万!終了」って感じ。
一千万の価値観を持ってるって言いたい。大事にしたいんだ。

無名の頃なんかでも、バスに乗っててね、浮かぶ時がある。
ずっと忘れないように口ずさんでて、家に帰って、女房とも口もきかないで入れこむ。
録音をすませたら、ホッとしてサビを考える。
やっと、口もきくし、聞かせてやったりしてね。
矢沢の曲は、こうしてできるわけだ。 (P274)







【企画・マーケティングについて】

ひとつオレ、わかってることがある。口ずさんで「いい歌」って言われたメロディーは、ほんとにイカシてる。コードつけて、アレンジしてからの反応よりも的確だと思うね。
歌、歌のこころが、音楽的ななんとかよりも、最初なんだよ。ゴマカシがきかないからね。 (P275)


 この感性、「おニャン子クラブ」や「AKB48」をつくった秋元康に通じるものがあります。
 (参考:企画脳(秋元 康 著)





【本物と偽物、ファン・外部に踊らされないことについて】

浮かれちゃいけないし、媚びちゃいけないと思ってる。
オレ、六割は、自分指向でやってる。
オレのオリジナリティーを出して納得していく。ファンよりも先を走る。
合わせよう合わせようと考えてるやつには、本物はできない
もろん、ファンが何を求めてるか、考える。でも、それをあんまり意識したくないんだ。それが信条だね。
「オレ」なんだ、まず。
オレの「オレ」との闘い。
それをファンが評価すればいい。
ファンていうのは怖い、そして身勝手。それでいい。

なぜなら、法律に「矢沢のLPを買いなさい。ステージ見なさい」って載ってないもの。自由なのよ。感受性のままに、自然にレコード屋に行って、自由な判断のもとに選べるわけ。
こういう彼らを説得する道は、ただひとつ。
ハート・トゥ・ハート。
泣かせるしかない。こっちで努力するしかない。
ファンは単純なんだ。ナメてない意味でね、これ。 (P276)







【ファン・お客さんへのスタンス】

自信はある、いつも、やるだけのことはやってるもの。
それが、伝わると思う。それが、オレのファンを尊重するってやり方。 (P278)

おまえは ほんとになにが歌いたいんだ
その問いにオレは答えてる
十万の目の前で汗をふりしぼって答える (P291)







【タオ・フロー】

汗を流して、散らして。
シャウトして。精神も肉体も、どこか遠くに飛ばしてしまう。
目が、トローンとしてくる
んだ。
「あいつ、本番前にグラス二、三本キメてきたんじゃないか」そんなことを言われるようになったら最高だよ。
オレ、いまも言われてる。
「矢沢はステージに上がる前に酒飲んでる」って。
うれしいね。飲んでもいないのに、顔つきが変わって、並じゃないってステージをやってるんだ。 (P292)






【夢を持つ若者に】

だから、音楽やりたいやつに、オレ、言っとくよ。
頼るなって。
十が全部なら、そのうちの七・八・九までは自分の力でやっていけ。残り三・二・一は黙っていても集まってくる

(中略)
自分の目指すものを、自分で定められて、執念燃やすんだ。力貸してくださって言う前に、自分の欲望を百パーセント確信する。それを具体化していくわけじゃないか。 (P289)

オレ、給料で雇われて、時間売って「ハイよろしく」ってのは耐えられなかったからね。
正しいかどうか知らなかったけど、その方法じゃオレのやり方として不適当だと思ってた。はじめから、パーセンテージでギャラを決めた。

アメリカのミュージシャンが、たぶん、そうやったと思ってたし。オレは、まだまだビッグになるって、ねらいを定めてたからね。 (P289)













失敗にぶつかり、その都度、自分で乗り越えてきた永ちゃんならではの言葉の数々。

幾多の自己啓発書を読むより、はるかに気づきが多かったです。


自己啓発オタクになっちゃっている人(=かつての自分)の目を覚ます一冊です。
本当にオススメ。


 
 成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集













【矢沢永吉関連記事】

 ・アー・ユー・ハッピー?(矢沢永吉)

 ・ 映画「ジョンレノン、ニューヨーク」 矢沢永吉や本田健もジョン・レノンから影響を受けた

 ・ 糸井重里いわく「一流の人とは、自己肯定感の強い人」(矢沢永吉と糸井重里に学ぶ)

 ・ 矢沢永吉と久米宏のコンストラストに、ライフワークの真髄を見た!

 ・ 矢沢永吉と荒井由実(当時)の対談映像









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れおん
東京在住。2011年初旬に安定した仕事を辞め、いくつかのお金の流れを創りつつ「真の幸せとは何か?」「自由とは?」を探求中。かなりの手応えを掴み、探求をほぼ終えつつあります。縁のあった少数の人に「好きな事をビジネスにして楽しく生きる」ためのコンサルティングをしています。興味のある方は「メールフォーム」から気軽にメッセージをお送りください。

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