なぜパリの社交界ではだめなのか?「恋愛」について目から鱗が落ちる古典 エミール2

前回記事から教育の古典,エミール (まんがで読破)について書いています。

 〈参考:前回記事 あなどれない教育の古典 (本)エミール


私がエミールを読んだ一番の収穫は,ズバリ

「異性との距離感」についての気づきです。


この本で語られたことは,もはや日本人には完全に盲点になっているのでは?

と感じたのです。(特に,都会にすむ若者は,こういった状況だと感じました)




以下,引用です。



これは私の時代の堕落した社会において,

新しい人間観を与えるためにわたしが実験した教育であります。



エミール。

君は幸福にならなければいけません。

私は君をこの手で抱きあげてからの22年間,

そのためだけに自分の時間を捧げてきたのです。






■男女関係をどのように始めるべきか?


早まった教育は異性との関係を低俗な刺激によってかきたて,
性欲という形でしか発揮されなくなってしまいます。
本来,思春期とともにあらわれる愛他心は,種族保存の本能に基いて発生します。
そのため本能は,異性への好みははっきりしていません。
つまり,異性への愛情は,知識・偏見・習慣からつくられるのです。



エミールも20歳になりました。

私は青年期に現れる異性に対する情動を,別の授業によって妨げてきました。

しかし,もうそれもいいでしょう。


ただし,これまで遠ざけてきたものを急に突き出すようなことをしてはいけません。

溢れ出る官能は間違った選択をおこなう可能性が高いからです。


そこで私は,彼と理想の女性について語り合うことから始めます。

理想の伴侶をふたりで考えるのです。

その結果,官能によってむやみやたらに女性を求めることを抑えるのです。


(理想の女性像を「ソフィ」と命名)
 ・善良な天性
 ・清潔さ
 ・良心により与えられた愛で,隣人を幸福にできる女性




そして私たちは旅にでることにします。

エミールにとってふさわしい伴侶を求めるとともに,私の最後の教育を完遂させるために。






■パリの社交界


・美しい女性が多い
・しかし彼女らは,相手のもつ富に目を向けたり,あるいは逆に,富を利用して淫欲な関係を持とうとする



私は,ここにソフィーがいるとは考えていませんでした。

エミールには,ソフィーと出会う前にここに来る必要があったのです。

私はエミールが幸福になる手段を富に求めることを防ぐため,

パリに来て貴族たちの堕落した生活を見せたかった
のです。

賭け事ばかりで無駄に時間を費やす貴族や,

収集物を完璧にしようとし,豊富にあることで逆に貧困を感じる貴族。

彼らは活動的な生活を送る民衆とは違い,倦怠から逃れようとしながらもそれに囚われているのです。


この高名だが騒音で騒がしい泥まみれの都では,

女性は貞操を,男は美徳を真面目に考えなくなっている
のです。








■パリから数週間のところで,没落貴族の娘ソフィー(偶然にも同名)と出会う


しかし私には,まだエミールに与えねばならない最後の教育が残っているのです。

きっとエミールにとって一番辛いこととなるでしょう。

しかし,これを乗り越えなければ永遠の幸福は訪れないでしょう。



「ソフィーが死んだ!!」

という知らせを聞いたら,どうしますか?



心の苦しみは,まだ君には与えられていないのです。

君は今や,自分で自分に与えている結びつきに縛られています。

いくら健康であっても,多くの悩み,苦しみに魂を責められるでしょう。

人間は多くの愛着を持てば,その分多くの苦しみを招くのです。


ソフィーが死んだと考えただけで恐怖に囚われていましたね。

人はいずれ死にます。

その時が来る前に,

君は失うことを学ばなければならないのです。


そしてたとえ失うことがあっても勇気を失わずにいられるようになるのです。

そうすれば君は運命がどうあろうと幸福でいられるでしょう。



~ソフィーと離れ,二年間の旅へ~







■二年後


私たちは二年近くヨーロッパ各地を旅し,外国の自然・政治・芸術・人物を見て来ましたね。

君は旅の結果,どう生きていくのですか?



「はい。

私は誰よりも自由に生きていくつもりです。

金持ちであっても,貧乏になっても,

自分のでき得ることだけを望み,

自由であり続けたい。


ただ,必然の束縛はこれまでと同様,死ぬまで耐えるつもりです。

私は運命を受け入れ,自然の掟にしたがい,死ぬ時がきても怖れません。


しかし,私は一つの束縛は求めます。

それはです。

私はソフィーとの結婚により,さらに自由で幸福になれるのです」





最後に君に,一つだけ伝えたい。

男性は父親になると,伴侶への愛が冷めやすくなるものです。

エミールよ。

いつまでも恋人同士でありなさい。

そうすれば,いずれ愛が信頼へと変わり,

君たちの家族の絆となるでしょう。






■ 宗教

これまでを通じて(エミール18歳),宗教についてはなにも語りませんでした。

これまでの教育のように必要もないのに学べば,

いつまでも本質を知らないままになってしまう
からです。


宗教は未だに多くの神学者によって教理を追求されており,答えを探し続けているのです。

本質が定まらないものを教えたところで無意味なのです。


では宗教を信じている子供はいったい何を信じているのか?

それは子供が理解できる範囲のものです。

つまり,「神と呼ばれる何者かがいる」と子供に言った聖職者のことを信じているのです。



私は神の存在を信じていないわけではないのです。

ただ,真理を理解できない者に真理を告げるのは控えてほしいと言っているのです。

それは真理の変わりに誤謬を与えてしまうからです。

神にふさわしくない卑俗で幻想的な観念を持つよりは,

神についてなんの観念も持たないでいる方がマシなのです。




「最近は,『スピリチュアル病』にかかってしまい,

『エネルギーがど-のこ-の』

『気がど-のこ-の』

と騒ぎ,本当の自分から目を背けたまま,幻想の世界に入っている人が沢山います」

と言っていた僕の師匠の言葉を想い出しました。





■宗教の選び方について

大体の子供は,父親の宗教のなかで育てられます。

どんな宗教があっても,個人にとってはその宗教だけが正しく,

他は邪教と化してしまう
のです。


ではエミールにはどのような宗教に加入されたら良いのか?

そんなことを考えないで,自分自身の理性の導きで宗教を選べるように育てれば良いのです。






■エミールの先生を導いた聖職者の話し

・仮に施しをくすねたお金で豊かな暮らしをしたとして,それが本当に幸福だとおもいますか?

それはただの幻想に過ぎません。

幻想は不幸を覆い隠してくれるどころかさらに大きくし,

なんの価値もないものに価値を与え,ただ欠乏を感じさせるだけなのです。



・私は自分自身を見つけるために,様々な哲学書を読みましたが,

哲学者たちは皆,断定的であり,独断的な見識しか見いだせませんでした。

一致していることは,自らの地位の維持のためだけの論争であり,

そこにはわたしが不確実な状態から抜け出す方法は書かれていなかったのです。


しかし,私は彼らの書物から,

他の者とは違うように考えること,自らに利害があることだけを考えることを学んだのです。

次に私は,自らの心に応えを求めたのです。




・世界が存在する理由はわかりません。

しかし私たちが目的を持って行動をするように,世界にも目的があって動いているはずです。

その宇宙を動かし,万物に秩序を与える存在者こそが,

私たちが神と呼ぶべき存在なのです。

それを知った私は自分自身の内にも神を感じ,

私の周りにも神を感じることが出来たのです。


「つまり,あなたは自然宗教を信仰しているのですか?

 ですがそれでは教会の教えに反しているのではないでしょうか?」



それは宗教そのものがそれぞれの民族の伝統だからです。

あらゆる宗教はそれぞれの流儀で神に語らせて,その民族の宗教を守ってきたのです。

そして宗教の根本は良心にあります。

良心から神を敬っているなら,どんな形式で敬意を表しても,

神はそれを退けないのです。

ですから,宗教はすべて結構なものだと私は信じています。

だからこそ私は再び聖職者となったのです。


神の存在を自身のうちに認め,良心にしたがい生活すれば,

どんなに貧しかろうが幸福になれるのです。



宗教の本当の義務は,人間の作った制度とは関わりがないのです。


恩師は私に信仰告白をして教えてくれました。

全ての宗教は善性において自然宗教につながることを。


宗教を知らなかったエミールが自らの良心により宗教を選ぶ日がくる時,

自然宗教とかけ離れた宗派に属することはないでしょう。







古典の深さに圧倒される一冊でした。(漫画ですが)











【今日の一冊】

 
 エミール (まんがで読破 MD111)












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れおん
東京在住。2011年初旬に安定した仕事を辞め、いくつかのお金の流れを創りつつ「真の幸せとは何か?」「自由とは?」を探求中。かなりの手応えを掴み、探求をほぼ終えつつあります。縁のあった少数の人に「好きな事をビジネスにして楽しく生きる」ためのコンサルティングをしています。興味のある方は「メールフォーム」から気軽にメッセージをお送りください。

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