自己啓発書では決して得られない,真実をついたアドバイス ~ねじまき鳥クロニクル~


昨日,村上春樹のねじまき鳥クロニクルについて書きました。

 →「(読書メモ)村上春樹は,”それ”を知っている ~ねじまき鳥クロニクル~」



今日,僕と同じところが好き,という方のブログを(偶然)見つけました。

→ブログ:人魚姫の甘い歌声 【ねじまき鳥クロニクル】時間をかけることを恐れてはいけないよ。たっぷりと何かに時間をかけることは、ある意味ではいちばん洗練されたかたちでの復讐なんだ。

なんか,嬉しくなってしまいました・・・。




それは,

「主人公のおじさんが語るアドバイス」の部分です。


昨日のブログでは,

「銀座で店を経営するおじさんの話」



としてご紹介した部分。


すごく真実をついているように感じるんですよね。



以下,少々長いですが再掲載します。



■ 銀座で店を経営するおじさんの話



「銀座にたかが四軒や五軒店を持っているだけだ。でも成功するか失敗するかということに話を絞れば,俺はただの一度も失敗しなかった。それは,俺がそのコツのようなものを実践してきたからだよ。他のみんなは誰が見てもわかるような馬鹿みたいなところは簡単にすっ飛ばして,少しでも早く先に行こうとする。でも俺はそうじゃない。馬鹿みたいなところにいちばん長く時間をかける。そういうところに長く時間をかければかけるほど,あとがうまく行くことがわかっているからさ




「それぞれのケースで試算することになるんでしょうね。この場所だったら家賃が幾らで,借金が幾らで,その返済金が月々幾らで,客席がどのくらいで,回転数がどれくらいで,客単価が幾らで,人件費がどれくらいで,損益分岐点がどれくらいか・・・そんなところかな」

「それをやるから,大抵の人間は失敗するんだ」と叔父は笑って言った。

「俺のやることを教えてやるよ。ひとつの場所が良さそうに思えたら,その場所の前に立って,一日に三時間だか四時間だか,何日も何日も何日も何日も,その通りを歩いていく人の顔をただただじっと眺めるんだ。何も考えなくていい,何も計算しなくていい,どんな人間が,どんな顔をして,そこを歩いて通り過ぎていくのかを見ていればいいんだよ。まあ最低でも一週間くらいはかかるね。そのあいだに三千人か四千人くらいの顔は見なくちゃならんだろうう。あるいはもっと長く時間がかかることだってある。でもね,そのうちにふっとわかるんだ。突然霧が晴れたみたいにわかるんだよ。そこがいったいどんな場所かということがね。そしてその場所がいったい何を求めているかということがさ。もしその場所が求めていることと,自分の求めていることがまるっきり違っていたら,それはそれでおしまいだ。別のところにいって,同じことをまた繰り返す。でももしその場所が求めていることと,自分の求めていることとの間に共通点なり妥協点があるとわかったら,それは成功の尻尾を掴んだことになる。あとはそれをしっかり掴んだまま離さないようにすればいい。でもそれを掴むためには,馬鹿みたいに雨の日も風の日もそこに立って,自分の目で人の顔をじっと見ていなくちゃならないんだよ。計算なんかはあとでいくらでもできる。俺はね,どちらかというと現実的な人間なんだ。この自分のふたつの目で納得するまで見たことしか信用しない。理屈や能書きや計算は,あるいは何とか理論なんてものは,だいたいにおいて自分の目でものを見ることができない人間のためのものだよ。そして世の中の大抵の人間は,自分の目でものを見ることができない。それがどうしてなのかは,俺にもわからない。やろうと思えば誰にだってできるはずなんだけどね」




「お前のやるべきことは,やはりいちばん簡単なところからものごとを考えていくことだね。例えて言うなら,じっとどこか街角に立って毎日毎日人の顔を見ていることだろうね。何も慌てて決める必要はないさ。辛いかもしれないけれど,じっと留まって時間をかけなくちゃならないこともある」




「~それがどうしてこんな風に急に駄目になってしまったのか,俺にはもうひとつうまく理解できないんだよ。お前にもまだうまく理解できていないんだろう?」

「いませんね」

「だとすれば,何かがはっきりとわかるまで,自分の目でものを見る訓練をした方がいいと思う。時間をかけることを恐れてはいけないよ。たっぷりと何かに時間をかけることは,ある意味でいちばん洗練されたかたちでの復讐なんだ


(2巻P371~)















  

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編













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れおん
東京在住。2011年初旬に安定した仕事を辞め、いくつかのお金の流れを創りつつ「真の幸せとは何か?」「自由とは?」を探求中。かなりの手応えを掴み、探求をほぼ終えつつあります。縁のあった少数の人に「好きな事をビジネスにして楽しく生きる」ためのコンサルティングをしています。興味のある方は「メールフォーム」から気軽にメッセージをお送りください。

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